日本内分泌学会

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教育・研究

JES We Can リレーメッセージ

最終更新日:2024年3月25日NEW

学会の発展の鍵は、『多様性(ダイバーシティー)』にあると言われます。性別、年齢、国籍だけでなく、専門(臨床、基礎研究、内科、外科、小児科…)、所属(大学、病院、企業、研究所・・・)、職種(医師、博士、医療専門職・・・)、研究対象(ヒト、動物、細胞、分子レベル・・・)など、多様性とは学問の質にも関わる重要な鍵です。

男女共同参画推進委員会(JES We Can: Japan Endocrine Society Women Endocrinologists Association)は、学会の多様性を目指す活動の一翼を担っています。その活動やロールモデルを紹介すべく、リレーメッセージを企画しました。ひとつひとつのメッセージから感じ取っていただくことがあると思います。是非、お読みください。

自分自身であり続ける

島根大学医学部内科学講座内科学第一(内分泌代謝内科)
講師 守田 美和

 この度、本リレーメッセージでご紹介いただけることを光栄に思います。
 私は、内分泌代謝内科に所属しており、特に糖尿病診療に興味をもち取り組んでいます。糖尿病だけではないですが、なりたくてなったわけでは無い糖尿病と共に歩まれる方と共に歩みたく、自分にできる事を日々模索し診療しています。ある1型糖尿病と共に歩まれている方から、「先生にお会いすることができて、糖尿病になったけれど、初めて良かったと思いました」と言っていただけたことがあり、私(私たち)の思いは伝わっていると嬉しく感じ、そのように言っていただける医療を皆で続けたいと思っています。【写真①:糖尿病ウォークラリー(患者さん、子供、学生、院内スタッフで参加)】
 診療以外は、糖尿病啓発活動にも力を注いでおります。世界糖尿病デーには出雲大社御本殿のライトアップ(当初、周囲から無理と言われていましたが、2024年で10回目になります)、花火大会や最近はSNS配信なども積極的に主導しています。当初は、このような疾患啓発イベントの効果が疑問でした。しかし、1型糖尿病をお持ちの方に、「先生、糖尿病デーに打ち上げ花火を上げたい」と言われたのをきっかけに、15年ほど前に糖尿病デーに募金を集め、糖尿病デー・シンボルマークを含む花火を打ち上げる花火大会を開催しました。その花火を見た糖尿病のために通院されている方が、「私たちのために先生ありがとう」と外来で涙されたんです。このことがきっかけで完全に考え方が変わりました。周囲からの反響に加え、2022年に実施した啓発活動に関する院内のアンケート調査でも、私たちの啓発効果を確信する結果が得られました。医局員、院内外メディカルスタッフは当然ですが、医学生からも参加協力希望があります。皆と協力して開催できることに感謝し、私たちの診療以外においても発揮できるチーム力に誇りを感じています。
【写真②:世界糖尿病デー出雲大社御本殿ブルーライトアップ】 
 また、教育長という立場で学生指導にあたっています。私の子どもであってもおかしくない年齢の学生医とのコミュニケーションはとても刺激的です。学生指導には苦手意識を持っていましたが、日々成長し、眼をキラキラさせる学生医さんと接していると、パワーをもらい、何か忘れ物をしている気持ちになったり、私も新しく何かに挑戦したくなったりすることもしばしばです。【写真③:当科スタッフ】
 これまで私は、自分の先のキャリアを考えるというよりは、目の前にあること、今できることに重きを置きその都度最善を尽くすべく、取り組んできました。例えば、東日本大震災の衝撃から災害時に糖尿病や内分泌疾患を持つ方の味方になりたいと思い、日本DMAT隊員の資格を取得し、熊本地震と新型コロナウイルス感染拡大時はクルーズ船対応にも派遣されました。院内では災害時用のLINE公式アカウントを作成し運用しています。仕事において今の自分にできること、やりたいことは沢山ありますが、もちろん子供やプライベートも大切です。時には歯を食いしばりながらですが、優先順位を考えて実行(いまだに上手くできませんが)できるよう試行錯誤しています。
【写真④:小児1型糖尿病大山サマーキャンプ(15年以上毎年参加)】
 私は、「女性だから」よりは「私だから」を大切にしたいと思っています。性別に関わらず尊敬するロールモデルとなる医師はいますが、ロールモデルにとらわれず、自分自身(格好悪い所も受け入れ)であり続け、自分の能力(偏っているかもしれませんが)や情熱(これも偏っているかもしれません)、人間性を活かしていくことが私の目指すところです。
 学生医からの刺激からではありませんが、今年は仕事においてもプライベートにおいても新しいチャレンジを始めました。やっと決断することができました。傍から見たら、一見不幸に見え「大変だね」と言われる内容もありますが、多くの温かいサポートに感謝し、そのプロセスも楽しみ自分の肥しとし、先にある私の目標に向かって一歩ずつ進みたいと思っています。


【写真⑤:親子遠足、肩車が大好きな子供と】

これまでのリレーメッセージ

産婦人科医として考えること

島根大学 医学部 産科婦人科 折出 亜希

様々な多様性が活きる内分泌診療へ、そして医療者教育へ

岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)総合内科学 くらしき総合診療医学教育講座
岡山大学病院 内分泌センター 三好 智子

小児内分泌科医の立場から
ー日本小児内分泌学会(JSPE)における10年間の女性医師の動向調査についての報告ー

医療法人 むらしたこどもクリニック 理事長
日本小児内分泌学会 男女共同参画・ワークライフバランス委員 村下 眞理

areからwereへ
政策研究大学院大学 名誉教授、跡見学園女子大学 心理学部臨床心理学科 特任教授 鈴木(堀田)眞理

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