第27回 2026年度(令和8年度)
日本内分泌学会若手研究奨励賞(YIA)受賞コメント
(所属は受賞当時)
九州大学病院 内分泌代謝・糖尿病内科
兼子 大輝
この度は第99回日本内分泌学会学術総会において、若手研究奨励賞という栄誉ある賞を賜り、大変光栄に存じます。選考委員の先生方ならびに関係の先生方に心より御礼申し上げます。
本研究では、アルドステロン産生副腎腫瘍を対象にシングルセルRNAシーケンス解析を行い、体細胞遺伝子変異ごとの腫瘍細胞の特徴と腫瘍微小環境の不均一性を明らかにしました。変異特異的な細胞集団や細胞間相互作用を同定し、副腎腫瘍の発生・進展機序の理解につながる新たな知見を得ることができました。今回の受賞を励みに、今後も副腎疾患の病態解明と診断・治療の発展に貢献できるよう研究を進めてまいります。
最後に、当研究室の小川佳宏教授をはじめ、日頃よりご指導をいただいております共同研究者の先生方に深く感謝申し上げます。
奈良県立医科大学 糖尿病・内分泌内科学講座
紙谷 史夏
この度は栄誉ある若手研究奨励賞を賜り、大変光栄に存じます。小川佳宏会長をはじめ、選考委員の先生方ならびに関係の先生方に心より御礼申し上げます。
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の普及に伴い、免疫関連有害事象(irAE)への対応はがん診療における重要な課題となっています。本研究では、日本人を対象とした世界最大規模となる約21万人のICI投与患者コホートを用いて、内分泌irAEのがん種特異的リスクと生存への影響を解析しました。その結果、内分泌irAEは一様な病態ではなく、がん種や内分泌サブタイプによってリスクや予後との関連が異なることを明らかにしました。
今回の受賞を励みに、今後も臨床現場の課題解決に資する研究に取り組んでまいります。最後に、本研究をご指導くださいました髙橋裕教授をはじめ、奈良医大糖尿病・内分泌内科学講座、公衆衛生学講座の先生方ならびに研究を支えてくださった皆様に深く感謝申し上げます。
東京科学大学大学院発生発達病態学分野
桐野 玄
この度は日本内分泌学会若手研究奨励賞を賜り、誠に光栄に存じます。ご選考いただきました先生方、ならびに本学会関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
私は「性別はどのように決まり、維持されるのか」に興味を持ち、性分化および性維持の解明を目指してきました。本研究では、マウス卵巣顆粒膜細胞における細胞運命維持機構に着目し、Foxl2を中心とした転写因子ネットワークの破綻によりSertoli様細胞へ分化転換する過程を解析しました。成獣顆粒膜細胞においても細胞運命は能動的に維持され、その破綻は細胞の持つ可塑性を顕在化させることが示されました。これらの知見は、性分化疾患や卵巣機能不全の病態理解に新たな視点を与えるものと考えております。
今回の受賞を励みに、より一層研究に邁進して参ります。最後に、私を小児内分泌学の世界へ導いてくれた鹿島田健一先生、また共同研究者の皆様に心より感謝申し上げます。
大阪大学大学院医学系研究科 内分泌・代謝内科学
田村 有里
このたびは若手研究奨励賞(YIA)という栄誉ある賞を賜り、誠に光栄に存じます。会長の小川佳宏先生ならびにご選考いただいた先生方、関係者の皆様に、この場を借りて改めて御礼申し上げます。
実は大学院入学後から毎年YIAの審査口演を拝聴し、演台に立つひとりひとりの先生に憧れ、本賞の受賞を自身の大きな目標としてきました。ARMC5によるSREBP活性制御を軸としたMASHの基礎研究を始めて4年目、奇しくも学会創設100周年という節目の年に、私が生まれ育った洛北の地でその目標を達成できたこと、感無量です。日頃よりご指導いただいている下村伊一郎教授、奥野陽亮先生をはじめ、当教室の先生方に心より感謝申し上げます。
今回の受賞をゴールではなく新たなスタート地点として、日本内分泌学会の発展に少しでも貢献すべく、研究により一層精進していく所存です。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
九州大学病院 内分泌代謝・糖尿病内科
中尾 裕
この度は第99回日本内分泌学会学術総会におきまして、若手研究奨励賞という栄誉ある賞を賜り、大変光栄に存じます。選考委員ならびに関係の諸先生方に心より御礼申し上げます。
自律性コルチゾール分泌(ACS)は高率に内臓脂肪蓄積を合併し代謝リスクを高めますが、その詳細な機序は未解明でした。本研究ではマルチオミクス解析を駆使し、腫瘍によるステロイド産生の不均衡が全身性因子として、また脂肪組織におけるセラミド蓄積が局所性因子として作用し、マクロファージを介した脂肪組織炎症を促進するという二層性のメカニズムを明らかにしました。今回の受賞を励みに、本知見がACSにおける代謝合併症の病態解明や新たな治療戦略に繋がるよう、さらに研究を発展させてまいります。
最後に、日頃より多大なるご指導を賜りました小川佳宏教授をはじめ、共に研究を進めてきた共同研究者の皆様に深く感謝申し上げます。
金沢大学医薬保健研究域医学系・内分泌・代謝内科学
Hein Ko Oo
このたび私は第99回日本内分泌学会学術総会におきまして若手研究奨励賞をいただきました。歴史ある本学会から大変名誉ある賞をいただき、身の引き締まる思いと同時に、大きな喜びを感じております。選考委員の先生方をはじめ、本学会の関係諸先生方に心より御礼申し上げます。
本研究では、糖尿病関連ヘパトカイン「セレノプロテインP(SeP)」が、褐色脂肪組織(BAT)の熱産生を阻害する詳細なメカニズムを解明するために、新たなアプローチとして「網羅的システインredoxome解析」を開発し応用しました。その結果、BATにおいて寒冷刺激に選択的に応答する34個のシステイン残基を同定し、特にMICOSサブユニットであるMIC19のCys183が、SePの重要な標的であることを突き止めました。今後この成果を2型糖尿病における熱産生障害の新たな治療法開発へとつなげることを目標に、さらに研究を深めて参ります。
最後になりますが、日頃から温かくご指導くださる篁俊成教授をはじめ 、Cynthia Monserrat Galicia-Medina先生、高山浩昭先生、共同研究者の先生方に、この場を借りて深く感謝申し上げます。
慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科/予防医療センター
竜崎 正毅
この度は第99回日本内分泌学会学術総会において、若手研究奨励賞という栄誉ある賞を賜り、誠に光栄に存じます。会長の小川佳宏先生をはじめ、選考委員の先生方ならびに関係の諸先生方に心より御礼申し上げます。
本研究では、前立腺局所で産生される非下垂体性成長ホルモン(non-pituitary GH; npGH)に着目し、その発現が加齢とともに増加し前立腺肥大症の病態形成に寄与する新規機序を明らかにしました。本成果は、循環GHとは独立したnpGHの理解を深め、加齢性疾患の新たな分子標的同定につながるものと考えております。今回の受賞を励みに、今後も本研究を発展させて参りたいと考えております。
本研究はCedars Sinai Medical CenterのShlomo Melmed先生、Vera Chesnokova先生、Svetlana Zonis先生、共同研究者の先生方の多大なるご支援により実現しました。また、大学院時代からご指導を賜っている慶應義塾大学の伊藤裕先生、宮下和季先生をはじめ、多くの先生方に心より感謝申し上げます。
慶應義塾大学病院 腎臓内分泌代謝内科
渡辺 康博

この度は第99回日本内分泌学会学術総会において若手研究奨励賞という栄誉ある賞を賜り、大変光栄に存じます。会長の小川佳宏先生をはじめ、選考委員の先生方、学会関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
受賞演題は「Aging-Associated Decline in Intestinal Epithelial NAMPT–NAD⁺ Biosynthesis Leads to Lipid Malabsorption and Sarcopenic Malnutrition」で、本研究では、腸管上皮のNAMPT–NAD⁺生合成系が加齢によって障害され、脂肪酸吸収に不可欠なCD36を介して栄養吸収障害を引き起こし、筋力低下や寿命短縮をもたらすことを明らかにしました。さらにNMN経口投与による介入効果を検証しました。
今回の受賞を励みに、今後も老化関連疾患の病態解明と新たな治療法の開発を目指し、より一層研究活動に精進してまいります。最後に、日頃よりご指導いただいております林香教授、山口慎太郎先生、小杉将太郎先生、ならびに関係者の皆様に心より感謝申し上げます。


