スリランカ内分泌学会 SLENDO2024への参加報告
2024年12月3日
福岡大学医学部 内分泌・糖尿病内科学講座
髙士 祐一
この度、代表理事の有馬先生、国際交流委員会の柴田委員長、国際交流委員会委員の先生方、ならびに国際内分泌学会(International Society of Endocrinology: ISE)のご推薦を賜り、スリランカ内分泌学会(Sri Lanka College of Endocrinologists: SLCE)の学術集会であるSLENDO 2024に参加して参りました。SLENDO 2024は、8月8日から11日までの間、スリランカはコロンボのシャングリラホテルで行われました。
学会は2つのホールで進行し、プログラムはプレナリーレクチャーとシンポジウムで構成されていました。本学会は、各国からの招待演者とSLCEで指導的立場の先生方が中堅・若手の医師に向けて、各領域の臨床に関する最新情報をレクチャーするという意味合いが強く、日本の学会のような一般口演やポスター発表はありませんでした。私は、Disorders of Calcium and Vitamin Dのシンポジウムにおいて、Challenging Cases of Hyperparathyroidismという演題で30分間の発表を行いました。予め有馬先生から、臨床の発表が好まれるというアドバイスをいただいておりましたので、今回は原発性副甲状腺機能亢進症について内科的治療を中心に、MEN 1および4が疑われた症例とXLHに合併した三次性副甲状腺機能亢進症の症例を提示しながら、発表させていただきました。特に、スリランカでは、シナカルセトなどのカルシミメティクスが使用できない状況のようで、反響をいただきました。質疑応答では、多くの質問をいただき光栄だったのですが、私の拙い英語のために、不十分な回答になってしまったことが悔やまれます。スリランカには独自の言語もありますが、幼少期から英語教育も同時並行で行われるとのことで、スリランカの先生方には英語のハンディキャップは全くありません。この点、私を含めて今後考えていかなければならない日本の課題であると痛感いたしました。
また、President’s Dinnerにもご招待いただき、参加させていただきました。日本人は自分一人という状況の中で不安もありましたが、SLCEの先生方や欧米からの招待演者の先生方が温かく迎え入れてくださり、またとない貴重な時間を過ごすことができました。普段お話しすることができないような先生方と多く交流できたことは、私にとって大きな収穫となりました。
今回のSLENDO 2024への参加を通じて、私のような中堅・若手の医師が、積極的に海外へ向けて臨床・研究の成果を発信し交流を図ることの重要さを、身をもって感じました。今後は、この観点からも日本内分泌学会に貢献できるよう、微力の限りを尽くして参ります。最後に、この度ご推薦いただきました有馬先生、柴田先生、国際交流委員会委員の先生方、ISE、そして温かく迎えてくださったSLCEの先生方に厚く御礼を申し上げ、報告とさせていただきます。
ENDO Global Leadership Academy (GLA)への参加報告
2024年12月3日
名古屋大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌内科
杉山 摩利子
この度は、米国ボストンで開催されたENDO2024 のGlobal Leadership Academy (GLA) Early Career Forumに参加する機会をいただき、誠にありがとうございました。2024 年5月31 日にGLA、翌日よりENDO2024に参加させていただきました。本年度のGLAは、私を含め日本、韓国、タイなどのアジア諸国からイギリス、スペインといったヨーロッパ各国の他に、オセアニア、南アメリカなど世界各国の内分泌学会から推薦をうけた16名と、自らこのForumに申し込みをされた各国の若手医師総勢150名程度で行われ、大変盛況な会でした。
午前中は朝食をとりながらの交流にはじまり、ENDO2024の概要の説明、ENDO2024 の楽しみ方についてのプレゼンテーションが行われました。その後、Research CareerあるいはClinical Careerのどちらかのセッションに分かれ、それぞれのキャリアの積み方として、仕事の探し方、応募メールの書き方、面接の際における自己アピール方法など幅広くかつ具体的にキャリア構築方法について学ぶ機会を得ました。午後からは、再び全員が集まり、円滑なコミュニケーションの取り方、あるいはコミュニケーションをとりたい相手の性格をくみ取った上で、どのようにアプローチすると効果的か、ということについて具体例と実践を交えながら学ぶことができました。午前中のキャリア構築において大事なことの一つに、円滑にコミュニケーションをとり、コネクションを作ることができる、ということがあり、さらに午後からはそのコミュニケーションの取り方について基礎的なことから学びを得ました。特に午後のセッションで印象的だったのは、会話のテクニックとして「Yes, but」ではなく「Yes, and」と話を続けるとよい、つまり相手の主張を「Yes」で受け止め、自分の意見を述べる際には「and」でつなぐ方が自分の意見を受け入れてもらいやすいとされていること、そして、会話をしながら相手の性格や思考のタイプを分析し、相手に合わせたアプローチ方法を検討していくことが非常に重要視されているということでした。こういったコミュニケーションの取り方や重要な部分は、日本人に限らずどこの国でもどの言語でも変わらないのだな、ということを強く意識させられました。また、会話内容を処理する人の脳機能についても考えてしまいました。
今回のGLAでは、まったくの偶然でありましたが、日本からニューヨークに留学されている内分泌学会員の若手の先生とお話しする機会がありました。アメリカに留学された経緯などをお伺いするとともに、日本の学会の現状などについてもお話しすることができ、緊張感の中でどこかほっとするような、安心する機会がありました。
この度、世界中の意欲のある若手の先生方と交流ができたこと、日本から米国に留学をされている先生と交流ができたことは大きな刺激となり、また大変貴重な経験ができたと考えております。ご推薦くださいました日本内分泌学会の先生方、手続きなどにご尽力いただきました事務局の皆様をはじめ関係各所の方々に感謝申し上げます。今回の経験を活かし、今後も精進していきたいと思います。
韓国内分泌学会とMOU調印式が開催されました
2024年7月17日
日本内分泌学会(JES)と韓国内分泌学会(Korean Endocrine Society; KES)の継続的な交流と発展に関する基本合意書[MOU(Memorandum of understanding)]が作成され、第97回日本内分泌学会学術総会会期中の6月7日(金)にパシフィコ横浜ノースにて日本内分泌学会代表理事の有馬寛教授と韓国内分泌学会のPresidentのProf. Yoon-Sok ChungによりMOU調印式が行われました。
今回のMOU締結を機に、両学会の交流がさらに深まり、基礎および臨床に関する研究の発展が期待されます。
A Memorandum of Understanding (MOU) regarding the ongoing exchange and development between the Japan Endocrine Society (JES) and the Korean Endocrine Society (KES) was created, and a signing ceremony for the MOU was held at Pacifico Yokohama North on Friday, June 7th, during the 97th Annual Congress of the Japan Endocrine Society.
The MOU was signed by Professor Hiroshi Arima, President of the Japan Endocrine Society, and Professor Yoon-Sok Chung, President of the Korean Endocrine Society. With the signing of this MOU, it is expected that the exchange between the two societies will deepen further, promoting the advancement of endocrinology research in both basic and clinical fields.