世話人代表からのご挨拶
萩原 大輔
名古屋大学 医学部附属病院 糖尿病・内分泌内科
日本内分泌学会中堅若手の会(Young Endocrinologist Conference: YEC)は、内分泌代謝領域の基礎および臨床研究を志す若手・中堅研究者の育成を目的として活動しています。2009年に橋本貢士先生を初代世話人代表として発足し、現在では100名を超える内分泌学の若手研究者が参加する組織となっています。YECの主な活動として、日本内分泌学会学術総会および内分泌代謝サマーセミナーにおけるYECシンポジウムの企画・運営が挙げられます。また、YEC総会や世話人会、懇親会の開催を通じて、若手研究者同士のネットワーク強化にも努めています。
近年、内分泌学はますます学際的な広がりを見せており、医学のみならず、工学、情報科学、さらには社会科学との連携が求められるようになっています。YECは、多様な背景を持つ研究者が互いに刺激を受け、新たな発想を生み出せる環境を提供することを使命としています。
2026年には、日本内分泌学会が創設100周年を迎えます。この大きな節目に向け、YECもまた若手研究者の視点から学会の発展に貢献し、次世代へとつなぐ架け橋となることを目指してまいります。今後も皆様のご支援とご協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
世話人紹介
バソプレシンニューロンはERファジーと選択的オートファジーにより細胞死に至る ー家族性中枢性尿崩症モデルマウスを用いた検討ー(2014年度 YIA)、バソプレシンニューロンにおける小胞体ストレスとオートファジーの病態生理学的意義の解明(2022年度 研究奨励賞)
研究テーマ:バソプレシンニューロンにおける小胞体ストレスと異常タンパク処理機構の解明、バソプレシン分泌異常症および水・ナトリウム代謝異常の診断と治療
遺伝子改変マウスを用いた血圧調節における腸管上皮MR機能の解析(2017年度 YIA)
研究テーマ:原発性アルドステロン症の病態解明、高血圧・腎障害におけるミネラルコルチコイド受容体機能の解明
抗 PIT-1 抗体症候群の発症機序の解明 (2017年度 YIA)、『腫瘍随伴症候群関連下垂体炎』の概念提唱から展開する下垂体疾患の病態解明(2024年度 研究奨励賞)
研究テーマ:下垂体機能低下症を中心としたTranslational research
中枢における(プロ)レニン受容体の機能解析 (2015年度 YIA)、組織の発生と障害における(プロ)レニン受容体の機能解析 (2021年度 研究奨励賞)
研究テーマ:腎臓・高血圧と組織障害
伊藤パディジャ 綾香(名古屋大学)
核内受容体LXRによるコレステロール代謝シグナルと炎症シグナルのクロストーク(2014年度 YIA)、栄養代謝異常によるサイトカイン恒常性破綻と慢性炎症性疾患の発症・進展における分子機構解明(2024年度 研究奨励賞)
研究テーマ:慢性炎症性疾患における栄養代謝の意義の解明
加納 麻弓子(聖マリアンナ医科大学)
カルシウム応答性を有する機能的な副甲状腺再生(2021年度 YIA)、発生工学を用いた多能性幹細胞からの副甲状腺再生(2024年度 研究奨励賞)
研究テーマ:多能性幹細胞を用いた内分泌臓器の作製
小林 朋子(名古屋大学)
免疫チェックポイント阻害薬による内分泌障害の臨床的特徴及び発症予測マーカーの検討(2023年度 研究奨励賞)
研究テーマ:免疫チェックポイント阻害薬による内分泌障害
椎村 祐樹(久留米大学)
グレリン受容体の結晶構造解析による活性型グレリン認識機構の解明(2018年度 YIA)
研究テーマ:グレリン受容体を対象とした摂食・代謝・成長ホルモン分泌研究
髙士 祐一(福岡大学)
FGFR1はFGF23濃度調節を媒介するリン感知受容体である(2019年度 YIA)
研究テーマ:生体のリン感知機構の解明、FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症の病態解明
村上 正憲(東京科学大学)
MALDI-FT-ICR MSを用いたイメージング質量分析による褐色細胞腫の病態解析(2020年度 YIA)
研究テーマ:副腎疾患におけるtranslational research