日本内分泌学会

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役員挨拶

最終更新日:2025年5月27日NEW

代表理事からのご挨拶

100年の矜持、挑戦そして創造

小川 佳宏
九州大学 大学院医学研究院病態制御内科学(第三内科)


 この度、一般社団法人日本内分泌学会の代表理事を拝命しました。九州大学病態制御内科学(第三内科)の小川佳宏です。会員の皆様に謹んで御報告申し上げますとともに、代表理事としての抱負を述べさせていただきます。

 日本内分泌学会は令和8年度(2026年度)に創設100周年という節目を迎えます。歴史的な瞬間を、代表理事として迎える重責を感じつつ、この巡り合わせに感謝しています。「100年の矜持、挑戦そして創造」をキーワードに、わが国の内分泌学の輝かしい軌跡を振り返りつつ、次の100年を見据えた本学会の持続可能な活動基盤を築き上げたいと考えています。会員の皆様とともに、この特別な時間を歴史の一部として記憶に残るものとし、未来を担う若手世代へしっかりバトンを渡すべく、全力で取り組みます。

 近年、科学技術の著しい進歩により、多くの研究領域が細分化・成熟化し、同時に社会は超高齢化・少子化、研究力の低下、医療倫理の複雑化、新興感染症パンデミックなど、かつてない課題に直面しています。一方、最先端のオミクス解析、ビッグデータ、数理解析、人工知能などの画期的なイノベーションにより、診療と研究の現場は大きく変わりつつあります。日本内分泌学会には、内科、小児科、脳神経外科、産婦人科、泌尿器科などの多様な診療科の専門医に加え、最先端の研究に取り組む基礎研究者が数多く所属しており、異なるバックグラウンドを有する会員による自由闊達な議論を大切にしてきました。この多様性こそが本学会の最大の強みであり、異分野融合による新たな知の創出を通じて、次の時代に求められる内分泌学の創造を目指します。

 わが国の内分泌学の裾野の拡大には、各地域・支部会の活動の活性化が不可欠です。毎年のように全国のどこかで様々な自然災害のニュースを耳にしますが、災害医療対策においても支部会の果たす役割は益々重要になっています。新専門医制度におけるサブスペシャリティ「内分泌代謝・糖尿病内科領域」の開始に伴って、全国的にも若手会員が増加傾向であり、学会本部と支部会の緊密な連携により、内分泌学を志す若手の活躍の場を更に広げていきたいと考えています。文字通り「内分泌津々浦々」の実現を目指し、地域社会・一般市民との対話を大切にしながら、国民の健康と医療の質の向上に貢献していきます。

 グローバル化が進む現代において、日本内分泌学会にとって国際化は重要な課題です。国際内分泌学会を始めとする欧米・アジアの関連学会との連携を深め、日本が世界の内分泌学を牽引する「内分泌大国」として認識されるようにしたいと考えています。幸いにも2026年度には第22回国際内分泌学会議と第99回日本内分泌学会学術総会(ICE2026/JES2026)の合同開催が決定しており、会員の皆様には国際学会を身近に体験いただく絶好の機会になります。あくまでも国際化は手段であり、その成果を国内の研究・診療に還元し、そして世界全体の内分泌学の発展にも貢献したいと思います。

 代表理事として日本内分泌学会の発展のために精一杯取り組みます。今後とも、会員の皆様の御支援と御協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

(令和7年・2025年 5月27日)

 

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