一般社団法人日本内分泌学会
代表理事 小川 佳宏
このたび、本会会員の寒川賢治先生、児島将康先生が、世界的に権威ある「クラリベイト引用栄誉賞(Clarivate Citation Laureates)」を受賞されました。クラリベイト引用栄誉賞は、科学・学術分野において卓越した研究成果を挙げ、将来的にノーベル賞受賞が期待される研究者に贈られる名誉ある賞です。
寒川先生、児島先生らは、G蛋白共役型オーファン受容体のGHS(growth hormone secretagogue、成長ホルモン分泌促進因子)受容体に対する内因性リガンドとして、1999年にヒト及びラットの胃組織からグレリン(ghrelin)を同定しました(Nature, 1999)。グレリンは、28個のアミノ酸からなるペプチドホルモンで、第3位のアミノ酸が脂肪酸修飾されるという特徴的な構造を持っています。グレリンは末梢投与で摂食亢進作用を示す唯一の内在性ホルモンであり、グレリンに関する研究成果はがん悪液質の治療薬開発にも大きく貢献しました。
今回の受賞は、先生方の長年にわたるご研究と国際的な評価の賜物であり、私たち会員一同にとっても大きな誇りです。心よりお祝い申し上げるとともに、今後ますますのご活躍をお祈り申し上げます。

