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多嚢胞性卵巣症候群

最終更新日:2026年9月8日NEW

多嚢胞性卵巣症候群とは

多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome:PCOS)は、1)月経が不順2)卵巣に小さな嚢胞(卵胞)がたくさんある、あるいはそこから分泌されるホルモン値が高い 3)ホルモン値のアンバランスあるいは男性ホルモンの過剰症状(多毛を認める)、これらの3つが揃うと診断されます。定期的な排卵が起きないため月経が不順となり、月経が止まってしまう事もあります。また排卵障害のために不妊の原因にもなります。

この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

妊娠が可能な年代の女性の約5~8%に発症すると言われています。

この病気はどのような人に多いのですか

初経(初潮)の後しばらくの期間、月経が不順であることは普通ですが、その後次第に月経は規則正しくなります。多嚢胞性卵巣症候群の患者さんの多くは、初経後数年たっても月経不順が続くことが多いです。思春期のうちからホルモンバランスが変化したり多毛を認める場合も将来的に多嚢胞性卵巣症候群と診断されるリスクが高いです。肥満も多嚢胞性卵巣症候群の症状を悪化させます。

この病気の原因はわかっているのですか

体質や環境など様々な原因があるとされていますが、はっきりした原因は分かっていません。

この病気は遺伝するのですか

遺伝的な要因も指摘されてはいますが、疾患を引き起こす明らかな遺伝子の異常は報告されておらず、一般的な遺伝性の病気ではない、とされています。

この病気ではどのような症状がおきますか

月経不順、月経が来ない、排卵しにくい、妊娠しにくい(不妊)といった症状があります。その他、ニキビの悪化、体毛が濃くなる(多毛となること)もあります。肥満や耐糖能異常(血糖値が通常より高い状態)を呈することもあります。

この病気にはどのような治療法がありますか

肥満を伴う場合は、先ず減量を含めたライフスタイルの改善が必要です。そのうえで、妊娠を希望しない場合でも、月経異常や無月経に対してはホルモン剤を用いて定期的に月経を起こさせる必要があります。妊娠を希望する場合は、経口あるいは注射による排卵誘発剤を用いることにより、卵胞発育や排卵を起こして妊娠を目指すことになります。排卵をしやすくするために、インスリン抵抗性改善薬と排卵誘発剤の併用や、卵巣に多数の孔を開ける外科的手術が行われることもあります。

この病気はどういう経過をたどるのですか

この病気は体質にも関わっており、思春期から始まり、妊娠・出産の時期、更年期以降まで影響します。月経不順や無月経、ニキビや多毛で気が付くことが多く、排卵しにくい、妊娠しにくい体質のため妊娠を希望した際には治療が必要です。月経不順や無月経を治療せずに長期間放置すると、子宮内膜に異常な変化が生じ、将来的に子宮内膜増殖症や子宮体癌(高分化型)が発生することがあります。また体質的に糖尿病や脂質異常症、高血圧などの代謝異常のリスクが問題になってくることもあり、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に代わる新しい名称として多分泌代謝性卵巣症候群(Polyendocrine Metabolic Ovarian Syndrome: PMOS)という名称が今後使用される予定です。

 

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