日本内分泌学会

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内分泌代謝とは

最終更新日:2019年8月21日

内分泌代謝とは

 私達の体の中では、種々の作用を持つ物質がうまく調和して全身の臓器に作用し、人間の生命を維持し、生体の恒常性( 正常な機能を維持する仕組み)や正常な代謝機能を保っています。これらの、正常な機能を保つのに必要な体の機構が内分泌代謝なのです。 内分泌代謝作用を示す物質をホルモンと呼びます。詳しくは「ホルモンについて」の所を見て下さい。
この所を見ていただけると、ホルモンには種々の物質があり、また、ホルモンが体の中で作用を発揮する時も、 その作用の方法は多様であることが理解していただけるものと思います。
ホルモンを作って、分泌する臓器を内分泌臓器と呼びます。ちょっと挙げただけでも、脳視床下部、脳下垂体、甲状腺、副甲状腺、膵臓、副腎、卵巣、精巣、心臓、肝臓、腎臓などの多くの臓器があります。この様に内分泌臓器は全身、各部位に存在することがおわかりいただけるものと思います。一方、これまでホルモンを分泌していないと思われていた臓器が、実は内分泌臓器であることが最近の研究で発見され、この事がきっかけになって、臨床の診断や治療の応用に役立つようになることがあります。例えば、脂肪滴(あぶら) を貯蔵するだけの機能しかないと思われていた脂肪組織があげられ、この脂肪組織も実は、ホルモンを作ったり、分泌する内分泌臓器の仲間だったことがわかって来ました。

内分泌代謝疾患とは

 内分泌代謝疾患は、ホルモンを作る内分泌臓器の障害により、ホルモン分泌の異常(増加又は低下)が起こった状態か、 またはそのホルモンが作用する対象臓器の異常(ホルモン受容体やホルモン情報伝達の障害)により、ホルモン作用の異常が起こった状態なのです。 内分泌代謝疾患の中には糖尿病や高脂血症の様に患者数の多い疾患から、これまで原因不明の精神疾患(ノイローゼやうつ傾向など)として放置 されてきた希な疾患まで様々な疾患が含まれます。それ故、内分泌代謝疾患を正確に診断し、治療することは非常に重要です。

内分泌臓器に対応する主な疾患名を下記に列記してみましょう(ここで述べるのは、ほんの一部の疾患名であり、詳しくは内分泌代謝科専門医師に聞いて下さい)。

  1. 脳視床下部・下垂体 (低身長症、先端巨大症、乳汁漏出症など)
  2. 甲状腺 (バセドウ病、甲状腺機能低下症など)
  3. 副甲状腺 (高カルシウム血症、骨粗しょう症など)
  4. 膵臓 (糖尿病など)
  5. 副腎 (高血圧症、低血圧症など)
  6. 卵巣・精巣 (インポテンツ、無月経、不妊など)
  7. 心臓 (心不全など)
  8. 肝臓 (糖代謝異常など)
  9. 腎臓 (貧血など)
  10. 脂肪 (肥満症、糖脂質異常など)
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