尿路結石症
最終更新日:2019年11月24日
尿路結石症とは
- 尿路結石は尿路(腎、尿管、膀胱、尿道)に結石が形成される疾患です。
- 存在する部位によって腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と呼ばれます。
- 尿路を通って排出(排石)しない場合は、手術治療が行われます。
- 結石の成分(シュウ酸カルシウム結石、リン酸カルシウム結石、尿酸結石、シスチン結石など)によって原因が異なります。
- 食生活などの生活習慣や肥満が結石を形成する原因となります。
- 原発性副甲状腺機能亢進症、クッシング症候群、尿細管性アシドーシスなどの内分泌疾患が原因となることがあります。
この病気の患者さんはどのくらいいますか?
- 年間の罹患率は人口10万人あたり138人(男性192人、女性87人)です。
- 男性7人に1人、女性では15人に1人が生涯に経験するといわれています。
この病気はどのような人に多いのですか?
- 男性では40歳代、50歳代に多く、女性では50歳以降に多くみられます。
この病気の原因はわかっているのですか?
- 発生要因として、食生活、内分泌疾患、尿路感染、尿の停滞、遺伝性などがあります。
- 患者さんによって発生要因が異なるため、原因を確認することがとても重要です。
- 尿のシュウ酸、カルシウム、尿酸が多くなると結石が出来やすくなります。
- 結石の成分(カルシウム結石、尿酸結石、シスチン結石など)によって原因が異なるので注意が必要です。
この病気でどのような症状がおきますか?
- 主な症状は、痛みと血尿です。
- 結石が尿管につまって尿の流れが悪くなると、片側の背中の激痛がおこります。
- つまった尿に感染がおこると高い発熱をおこします。
- 痛みは、鎮痛剤で緩和することがありますが、結石が排出するまでは、再び、激痛がおこることがあります。
この病気にはどのような治療法がありますか?
- 小さな尿路結石(10mm以下)では、自然に排出する可能性があり、飲水や内服薬を服薬しながら、排出するのを待ちます。
- 排出しない結石には手術治療を行います。
- 手術には、体外衝撃波結石破砕術、経尿道的砕石術(尿道、尿管をとおって内視鏡をいれ結石を砕く手術)、経皮的砕石術(腎臓に穴をあけて内視鏡をいれ結石を砕く手術)があります。
この病気はどのような経過をたどるのですか?
- 尿路結石の治療を行わないと、腎機能の低下が起こり、廃絶することがあります。
- 再発率が5年で50%と高いため、再発予防が必要です。
- 再発予防の方法は結石の成分や、原因によって異なります。
- 水分摂取はすべての結石予防に有用です。