日本内分泌学会

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粘液水腫性昏睡

最終更新日:2019年11月4日

「粘液水腫性昏睡」とはどのような病気ですか

重度の甲状腺ホルモン不足(甲状腺機能低下症)に際しておこる合併症です。通常は経過の長い患者でおこります。低体温を伴う意識障害や二酸化炭素の貯留を伴う呼吸抑制が特徴的です。またけいれんなどの神経症状が起こることがあります。発症の誘因としては何らかの重症疾患の合併、感染症、外傷、中枢抑制作用のある睡眠薬等の服用、寒冷への暴露があります。

「粘液水腫性昏睡」にはどのような治療法がありますか

副腎皮質機能低下の合併の可能性があるため、副腎皮質ホルモンを投与してから甲状腺ホルモン薬を開始します。生命の危険が迫っているので大量投与すべきとされています。呼吸の障害に対しては人工呼吸器を使用します。低体温に対しては急速に暖めると血圧低下などをひきおこすため注意が必要です。

「粘液水腫性昏睡」はどういう経過をたどりますか

重症で危険な状態ですので、約30%のかたがお亡くなりになると報告されています。

「粘液水腫性昏睡」はどのような注意が必要ですか

粘液水腫性昏睡は甲状腺ホルモン薬を勝手に飲むのをやめたり飲むのをわすれたりしたときに発症します。規則的に服薬はおこない、定期的に担当医を受診することが大切です。また軽い意識障害を繰り返した後に発症することもあるので、眠気がひどかったり、一時的に気が遠くなることがある人は医療機関を受診してください。

 

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