日本内分泌学会

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亜急性甲状腺炎

最終更新日:2019年11月4日

「亜急性甲状腺炎」とはどのような病気ですか

甲状腺内に炎症がおき、甲状腺組織が壊れる病気です。そのため、甲状腺組織内に貯留されていた甲状腺ホルモンが血中に流れ出て、血中の甲状腺ホルモンが上昇します。感冒の後に続いて起こることがしばしばあり、ウイルス感染により生じる可能性があります。時間はかかりますが自然に炎症はおさまり、甲状腺中毒症も直ります。なりやすい体質がありますので10-30年後に再発することもあります。

「亜急性甲状腺炎」にはどのような症状がありますか

症状は炎症による症状と甲状腺ホルモン高値(甲状腺中毒症)による症状があります。炎症により、発熱と痛みを伴う甲状腺の腫れがおきます。甲状腺ホルモンが過剰のため、全身倦怠感、動悸、多汗などの症状がおきます。

「亜急性甲状腺炎」にはどのような治療法がありますか

高熱や首の痛みがひどい人では生活に支障を生じるため、症状に応じて副腎皮質ホルモン(ステロイド)や抗炎症薬の投与が必要です。ステロイドにより一晩で痛みや発熱が改善しますが薬を早く減らしたり、急に中止すると、ぶり返してしまうことがあるので、症状改善後は薬を徐々に減らし、中止します。甲状腺中毒症状が強いときは、βブロッカーなどを使用します。

「亜急性甲状腺炎」とはどういう経過をたどるのですか

甲状腺内の炎症は数か月で落ち着き、内服薬もその頃には不要になります。上昇した甲状腺ホルモンは徐々に低下し正常になりますが、甲状腺内の甲状腺ホルモン枯渇のため、その後に一時的に甲状腺ホルモン不足(甲状腺機能低下)状態になることがあります。この甲状腺機能低下は一過性のことが多いのですが永続性の甲状腺機能低下症となり、合成T4製剤の服用が必要となる場合もあります。

「亜急性甲状腺炎」ではどのような注意が必要ですか

かってに薬を減量すると再燃するため、担当医師の指示に従ってください。

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