日本内分泌学会

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二次性高血圧症(腎血管性高血圧を含む)

最終更新日:2019年11月17日

二次性高血圧症(腎血管性高血圧を含む)とは

原因を特定できない高血圧を本態性高血圧とよび、高血圧症全体の9割とされています。本態性高血圧は、複数の遺伝子と環境因子が関与する多因子疾患です。一方、原因を特定できる高血圧を二次性高血圧とよび、①腎実質性、②腎血管性、③内分泌性、④血管性、⑤脳・中枢神経性(脳幹部血管圧迫)、⑥遺伝性、⑦薬剤誘発性などに分類されます(表参照)。

②腎血管性高血圧は、腎動脈硬化症や線維筋性異形成、高安大動脈炎、解離性大動脈瘤などによる腎血流低下により腎臓でレニン産生が増加することで高血圧になります。

③内分泌性高血圧には、先端巨大症クッシング症候群原発性アルドステロン症褐色細胞腫、レニン産生腫瘍などがあります。レニン産生腫瘍は腎臓の傍糸球体細胞腫や異所性レニン産生腫瘍からレニンが過剰に分泌され二次性高血圧をおこします。
17α水酸化酵素欠損症先天性副腎皮質酵素欠損症(先天性副腎過形成症)のひとつで、思春期より高血圧症、低カリウム血症、副腎過形成症を示します。
薬剤誘発性高血圧として、非ステロイド性消炎鎮痛剤(プロスタグランジン産生障害)が最多ですが、漢方薬に含まれる甘草(グリチルリチン)おこす偽性アルドステロン症も重要で、原発性アルドステロン症と同様の低カリウム血症を伴うため偽性アルドステロン症と呼ばれます。薬剤誘発性高血圧は、他にステロイド、交感神経刺激薬、抗癌剤や一般薬、サプリメント、漢方、健康食品が原因となることがあります。

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