日本内分泌学会

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21世紀の内分泌学の展望、学会のあり方 -改革への一里塚-

最終更新日:2018年9月10日

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21世紀の内分泌学の展望、学会のあり方 -改革への一里塚-

西新宿プラザクリニック名誉院長
出村 博

出村 博

 私は平成9年6月から11年5月まで本学会の理事長をつとめた。理事長を引き受けるに当り、21世紀の内分泌学および学会のあり方を多様な観点から展望し、新世紀へ向けての更なる発展を目指したいと考えた。そこで就任2ヶ月後の8月初旬、学術集会「21世紀の内分泌代謝学の展望」講演会を東京女子医大で開催した(日本内分泌学会雑誌第74巻 Supplement)。主な内容は、① 日本内分泌学会への提言、②臨床内分泌の観点から、③国際交流 および④研究費の4つであった。各セクションに亘って発表講演をして戴き、総合討論を行い、問題点を浮き彫りにした。それらを要約すると、

  1. 基礎医学者、分科会および関連学会の基幹学会(日本内分泌学会)への参入などによる会員数の増加をはかる。
  2. 臨床内分泌学を高度に進化した基礎内分泌学との乖離の現況に鑑み、臨床例の報告の場を再考し、他方分科会廃止に伴う生涯教育について考慮する。
  3. 国際交流については、日米、日豪間のみならず、東南アジアなどの後進国における内分泌学の発展を援助する。

などであった。さらに

  1. 学会誌については和文誌を廃して欧文誌に統一すること、編集会議のあり方についても検討すること。
  2. 事務局のあり方についても、学会固有のものとすることによって、経費の節減と、合理化をはかり、情報化の促進を進める。

などがその後の理事会で検討された。

 これらのうち、私が理事長として、最も力を入れようと念じたのは1.の会員数の増強であったが、充分な成果を挙げることが出来ず、残念であった。2.については学術集会担当の斉藤理事らの努力によって、臨床内分泌代謝Updateと内分泌代謝学サマーセミナーが新しく発足した。3.5.については会計担当理事中尾理事、吉田事務局長らの精力的な活動によって見事な改革と進展をみた。4.については編集担当井端理事を中心として画期的な変革が遂行され、欧文誌の編集長は長らく御苦労戴いた高橋理事から名和田理事へと引き継がれた。

 21世紀の内分泌代謝学への展望に関する私見については、昨秋韓国内分泌代謝学会で私が発表した"Forecasting the Future of Endocrinology"をご参照賜れば幸いである。

 私の後を引き継がれた中尾一和理事長は、若さ、先見性、洞察力、計画性と実行力のどの一つをとっても稀にみる大器で、新世紀を迎えるに最もふさわしい方である。

 最後に学会改革への一里塚を樹てるために御協力を戴いた理事と会員の皆々様お一人お一人に深謝する。

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